繊細なアジアンタムに人の姿を重ねて・・アジアンタムブルーの世界。

風に揺れるハート形の葉が愛らしい、シダ科の観葉植物”アジアンタム”。値段も手頃で割とどこのグリーンショップでも入手しやすいので、観葉植物の初心者さんにも人気がありますが・・育ててみると実はとても難しい。外でお日さまに当てればすぐに、たとえレースカーテン越しでも日差しが強ければ枯れてしまうし、かといって真っ暗なところでも育たない。寒いからと室内に入れても、うっかり暖房の風に当ててしまうと乾燥して葉が黒ずんでしまう。直射日光が当たらず、涼しく風通しの良い明るい日陰で、水やりにも気をつけないとすぐに弱ってしまい、そうなり始めたら手の施しようがない。いったん憂鬱〜ブルーになったら容易には立ち直れない・・そんな状態を『アジアンタムブルー』と呼びます。人間にもこんな人っていますよね、いえ、誰でもこうなる時はあるのかな。でもこうなってしまってからでも、ごくまれに憂鬱から抜け出し再生することがある・・それを描いたのが大崎善生の小説「アジアンタムブルー」です。

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[ナイスな情報]

小説はかなり大人の世界ですが・・映画ではどうなんでしょ。

涼しげでもの静かなタイトルと表紙に惹かれて、小説「アジアンタムブルー」を手に取った方も多いと思うのですが・・そういうイメージで読み始めてちょっとびっくりしちゃったのは私だけでしょうか。美しく哀しく、とても切ない大人の恋愛小説だとは思ってるんですよ。でもかなり大人な場面や生々しい描写もあって、少々面食らったのも事実。手に取った時に抱いたイメージとはギャップがありましたが、うーん、でもその落差がまた面白いと言えるかもしれませんが・・。2006年に阿部寛・松下奈緒主演で映画化され、翌年DVDでも発売されていますが今のところまだ拝見しておりません。観た方のレビューなどを読むと「大泣きした」「泣きすぎて人前に出られなかった」などなど、みなさん涙なしでは観られなかったようです。テレビドラマではコミカルなキャラクターが多い阿部ちゃんがどんなラブシーンを演じてるのか、そこはぜひ観てみたい気がします。

今ってみんな泣きたい・・?カタルシスの時代なのでしょうか。

ここ何年か愛する人を失う物語って、すごく多いですよね。そして本にしろ映画にしろ、ほとんどの方がよく泣きます。たとえ先に本を読んでいて、もうストーリーは分かっているはずなのに映画を観て再び号泣する・・考えたらちょっと不思議な気もします。泣くことで心の中に溜まっていた澱(おり)のような感情から解放される〜それが精神の浄化作用となる〜いわゆる「カタルシス」の効用は、心理学や精神医学の世界でもよく言われています。そのためには、物語が悲惨であればあるほど、悲しみが深くなればなるほど効果的なのだそうです。悲劇を観て→ものすごく悲しくなりストレスが溜まる→そのストレスを泣くことで一気に発散する。その感情の揺れ幅が激しければ激しいほど、後に訪れる安らぎのようなものが人を落ち着かせてくれる。泣くという行為は、精神を保つ上でとても大切なことのようです。大人になると声を上げて泣くことは少なくなりますが、たまには思いっきり泣いた方がいいみたいですよ。

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